排尿痛 オシッコをする時痛いのはなぜ?-大和クリニックー木更津市の泌尿器科

オシッコをするときに痛みを感じる時期で大きく3つに分けられます。

おしっこのしはじめに痛む、し終わりに痛む、しはじめからし終わりまで痛むの3つの時期に分けられます。

オシッコをしはじめた時に痛むのはなぜですか?

オシッコをしはじめた時に痛むのは(排尿初期痛)、排尿開始時に尿道や膀胱に感じる痛みです。病名としては急性尿道炎、急性前立腺炎、外尿道結石、外尿道口周囲炎などで起こります。

オシッコをし終わる頃に痛むのはなぜですか?

オシッコをし終わる頃に痛むのは(排尿終末時痛)、排尿終了時に尿道や膀胱に感じる痛みです。病名としては急性膀胱炎、急性前立腺炎で起こることが多いです。

おしっこのしはじめからし終わりまで痛むのはなぜですか?

おしっこのしはじめからし終わりまで痛むのは(全排尿時痛)、排尿開始時より終了まで尿道や膀胱に感じる痛みです。炎症の強い尿道炎、重度な急性膀胱炎、間質性膀胱炎・膀胱痛症候群、結核性膀胱炎、膀胱結石、膀胱異物、尿路悪性腫瘍、腟または腟開口部周囲の炎症(外陰膣炎)などで起こります。

それでは、 排尿痛 をきたす病気を以下に説明して行きます。

急性尿道炎

淋菌性尿道炎と非淋菌性尿道炎に分けられます。精巣上体炎(精巣上体は陰嚢内で、精巣の外側に付属する組織で、ここに炎症を起こした状態)や、前立腺炎を併発しない限り発熱などの全身症状はありません。

淋菌性尿道炎は淋菌による感染症です。排尿痛、膿性の尿道からの分泌物、外尿道口発赤などを生じます。潜伏期間は2~7日と短いです。最近は薬剤耐性菌の出現が問題となっています。抗生物質で治療します。口腔性交による淋菌性咽頭感染が認められています。咽頭の淋菌感染症は自覚症状、他覚症状に乏しいため感染が広がりやすくなっています。淋菌性尿道炎にクラミジア性尿道炎が併存する混合感染は20~30%に認められています。

非淋菌性尿道炎の約50%はクラミジアによる尿道炎です。他にマイコプラズマ、ウレアプラズマなどが原因です。
クラミジア尿道炎は尿道分泌物は漿液性で少量です。症状も淋菌性に比べ軽いです。軽い排尿痛や尿道部不快感があります。潜伏期は1~3週間と長いです。クラミジア感染症は、女性では子宮頚管炎、骨盤内炎症性疾患、卵管妊娠、卵管性不妊症、流早産の原因になります。治療は抗生物質です。クラミジアも咽頭感染を起こします。

非淋菌性尿道炎の約50%はクラミジアによる尿道炎です。他にマイコプラズマ、ウレアプラズマなどが原因です。
クラミジア尿道炎は尿道分泌物は漿液性で少量です。症状も淋菌性に比べ軽いです。軽い排尿痛や尿道部不快感があります。潜伏期は1~3週間と長いです。クラミジア感染症は、女性では子宮頚管炎、骨盤内炎症性疾患、卵管妊娠、卵管性不妊症、流早産の原因になります。治療は抗生物質です。クラミジアも咽頭感染を起こします。

*尿道(にょうどう)とは尿が膀胱から体外へ排泄されるときに通る管のことで、男性の場合、尿道は長さ約20センチメートルで、女性の場合、長さ約4センチメートルです。女性の場合尿道が短いため膀胱炎になりやすいです。

急性単純性膀胱炎(膀胱とは尿をためる袋です。その膀胱に炎症を起こすのが膀胱炎です)

急性単純性膀胱炎の起炎菌は大腸菌が多いです。クレブジエラ、エンテロバクターなどのグラム陰性桿菌またブドウ球菌の一種などが原因になります。性的活動期の女性と閉経後の女性に多いです。冷え、疲労などが誘因となります。排尿終末時痛、頻尿、尿混濁、血尿、下腹部不快感、膀胱部の圧迫感、残尿感、切迫性尿失禁などが出現します。治療は抗生物質です。

*膀胱炎にはその他、ウイルスを原因とする出血性膀胱炎、アレルギーによる好酸球性膀胱炎、間質性膀胱炎・膀胱痛症候群などがあります。

*急性腎盂腎炎を併発しない限り発熱は認めません。腎臓には、尿をつくる腎実質と、つくられた尿が集まる腎盂(じんう)があります。この腎実質と腎盂に炎症を起こした状態が腎盂腎炎です。急性腎盂腎炎は発熱(悪寒戦慄を伴い、弛張熱)と罹患側の腎部の自発痛、叩打痛、腰痛、悪心、嘔吐を伴うことも、全身倦怠感があることもあります。時に膀胱炎症状を伴わないこともあります。

急性細菌性前立腺炎

前立腺は男性だけにある臓器で、膀胱のすぐ下、骨盤の最も深いところに位置し、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいます。精液の一部を作っています。この前立腺に細菌感染による炎症を起こした状態です。
悪寒戦慄を伴う発熱、頻尿、排尿痛などの膀胱刺激症状などで、急激に発症します。会陰部痛、下腹部痛、射精時痛、排尿障害、時に尿閉(膀胱から尿をまったくまたはほとんど排出できなくなった状態のことです)を起こします。時に重症化して前立腺膿瘍(前立腺の中に膿がたまった状態)を形成する場合があります。また敗血症(感染症により生命を脅かす臓器障害が引き起こされる状態)を起こすこともあります。
感染の誘因として会陰部の圧迫や刺激(長時間の自動車運転、オートバイ、自転車、乗馬)、過度の飲酒、性交、経尿道的医療行為などがあります。治療は抗生物質です。

間質性膀胱炎・膀胱痛症候群

膀胱に原因不明の炎症がおこり排尿痛(排尿時や排尿後に下腹部や外尿道口付近が痛い)を引き起こしています。膀胱に尿がたまると膀胱、尿道のあたり、下腹部、恥骨部上部、外陰部などが痛くなります。排尿後に疼痛は軽減・消失するので痛みを避けるため頻尿となっています。一回の排尿量は重症だと100ml以下になります。残尿感、膀胱不快感、尿意切迫感(尿意亢進、過知覚)が起き、ときに尿失禁も起こります。腰痛・性交時痛なども起きる事があります。

膀胱炎と言われたが、抗生物質を服用しても効果がない。膀胱炎と言われたが、原因菌が見つからなかった。膀胱炎を何度も繰り返す。過活動膀胱と言われて薬を服用したが、効果がない。このような事態があった時、間質性膀胱炎・膀胱痛症候群を考えなくてはいけません。

膀胱炎は膿尿があり、尿培養で、大腸菌などが特定出来ます。(結核性膀胱炎の場合は、膿尿がありますが、普通の尿培養では、結核菌を見つけることは出来ません)

過活動膀胱では、今から30分尿を我慢したら症状はどうなるか聞くと尿が漏れるまたは漏れそうになりますが、間質性膀胱炎では尿は漏れることはないですが、膀胱圧迫感が強くなり辛くなります。間質性膀胱炎に過活動膀胱が合併することもあります。

膀胱腫瘍、膀胱結石なども否定しなければいけません。
心因性頻尿、夜間頻尿など他の頻尿を来す病気を否定しなければいけません。これらを否定するには、排尿日誌が役立ちます。

TEL:0438-25-2515