機能性尿失禁 (動けない、分からない、そのため漏れる)と混合性尿失禁-大和クリニック-木更津市の泌尿器科
機能性尿失禁 とはどういうものですか?
身体運動機能の低下、認知症などの精神機能障害によってよる尿失禁(排尿機能は正常)のことです。
機能性尿失禁 にはどのようなものがありますか?
1)身体運動機能の低下によるもの:パーキンソン症候群、片麻痺、骨折、関節痛などによりトイレに行く前に間に合わないで漏れてしまう状態です。
2)認知症などの精神機能障害によるもの:時刻、日付、場所、人物、周囲の状況などを総合的に判断できない、注意力などが低下した場合などで、トイレに間に合わない、あるいはトイレ以外の場所でおしっこをしてしまう状態です。
*パーキンソン症候群、片麻痺などは他の要因も加味されている場合があります。
*パーキンソン症候群とは手足が震える、筋肉がこわばる、素早い動きができない、体のバランスを保ちにくいなどのパーキンソン病(神経伝達物質のドパミンが減少)と同様の症状を持った疾患群です。
*片麻痺とは体の片側、右か左かどちらかの半身で麻痺が発生するという症状であり、脳血管障害、特に脳梗塞に多く見られる症状です
機能性尿失禁 にはどう対処しますか?
原因となっている身体運動機能・認知機能を改善させるための治療(リハビリテーションなど)が必要です。
介護環境、生活環境の見直し、おむつ、着脱しやすい服などの工夫を行います。
その方によりおしっこがしたいというサインが違うので、それを見つけて役立てたいものです。排尿のリズムをみつけ、もれてしまう前にトイレへ誘導したいものです。トイレの場所をわかりやすくする工夫も必要です。
混合性尿失禁 (咳で漏れるし、間に合わなくて漏れる)
腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の混在した状態です。どちらが主体なのか様々です。
ノルウェーからの報告では、女性の尿失禁のうち約50%が腹圧性尿失禁、11%が切迫性尿失禁、混合性が36%で45才以降混合性尿失禁が増加します。
腹圧性尿失禁の有病率は50才代でピークに達し、その後減少しますが、混合性尿失禁と尿意切迫性尿失禁の両方の有病率は年齢とともに増加し続けます。観測データは、フランス、ドイツ、スペイン、英国からのものです。