好酸球性膀胱炎(こうさんきゅうせいぼうこうえん)-大和クリニック-木更津市の泌尿器科

Kさんは、膀胱炎症状が出現しました。リザベン(トラニラスト)を服用していたので、ひょっとしたらその薬が原因かもしれないと言われました。

好酸球性膀胱炎とはどういうものですか?

好酸球性膀胱炎は、膀胱壁への好酸球性浸潤を特徴とする稀な膀胱炎症性疾患です。急性期では強い好酸球性浸潤が見られ、慢性期では線維化が見られるのが特徴です。間質性膀胱炎のまれな形態との報告もあります。

好酸球性膀胱炎の原因は何ですか?

発生機序は明らかではありません。何らかのアレルギーの関与が示唆されています。さまざまな薬剤、膀胱損傷、慢性膀胱刺激、膀胱手術後、寄生虫症、食物および薬物に対するアレルギー、尿路感染症(UTI)、尿路上皮癌、自己免疫疾患、好酸球性腸炎との関連が提案されています。原因薬剤として、トラニラストが24例と最も多く、ついで他の抗アレルギー剤、柴胡を含んだ漢方薬が多かったとの報告もあります。ペニシリン、クマジン、BCG、レベチラセタム、マイトマイシンCなどもあげられています。

好酸球性膀胱炎の症状はどういうものですか?

最も一般的な症状には、頻尿、血尿、排尿困難、尿閉、恥骨上の痛み、骨盤の痛みなどがあります。

好酸球性膀胱炎の臨床所見は何ですか?

血尿、膀胱腫瘤、膀胱壁肥厚、膀胱粘膜の浮腫、炎症、出血性病変、潰瘍、水腎症、末梢性好酸球増加症などがあります。尿路感染症、悪性腫瘍、下部尿路症状など、他の泌尿器疾患に共通する症状や臨床所見が見られることがよくあります。

好酸球性膀胱炎の診断はどうしますか?

検尿、尿培養、採血、超音波検査、生検を伴う膀胱鏡検査などです。好酸球は血液、尿中に見つかる場合があります (常に存在するとは限りません)。

好酸球性膀胱炎の治療はどうしますか?

定まった治療法はありません。

既知のアレルギーを起こすものや誘発物質を避けます。抗炎症剤、抗アレルギー剤、ステロイドなどの内科的治療が主となります。Il-5 受容体遮断薬であるベンラリズマブが良いとの報告もあります。内科的治療が成功しない場合、外科的治療も選択肢となります。

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