陰嚢被角血管腫 (いんのうひかくけっかんしゅ)-大和クリニック-木更津市の泌尿器科
12月 14, 2023
Contents
Iさんは、朝起きて、下着に血がついているのに気がつきました。怖くなって、クリニックに行きました。陰嚢被角血管腫と聞き慣れない名前を言われました。
陰嚢被角血管腫 とはどういうものですか?
被角血管腫は、皮膚の任意の場所に無症候性の青赤色の過角化性丘疹として現れる表層真皮の良性 毛細血管 拡張症です。5つの病型に分類され,種々の病因が背景にあるそうです。陰嚢に出来たものは、陰嚢被角血管腫と言います。
陰嚢被角血管腫 の原因は何ですか?
加齢による結合組織の支持力の低下、静脈閉塞などによる静脈圧亢進が原因かもしれません。精索静脈瘤に関連した陰嚢の血管角腫の症例が報告されています。 女性の場合、妊娠による静脈圧亢進や女性ホルモンによる血管拡張作用などの因子もあるかもしれません。
陰嚢被角血管腫 はどういう人に起こりますか?
主に高齢者の陰囊に多発し,加齢とともに増加します。女性の外陰部にも同様な症状が起こります(陰唇被角血管腫)。ややまれです。
陰嚢被角血管腫 の症状はどういうものですか?
直径が 数ミリ程度の大きさで、5 mm を超えることはほとんどなく、表面が滑らかまたは粗い赤紫色の丘疹です。通常は無症候性です。症状が存在する場合、出血、痛み、かゆみが含まれます。
陰嚢被角血管腫の診断はどうしますか?
典型的な外観で臨床的に診断されます。ダーモスコピーが役立つこともあります。必要があれば生検を行います。
陰嚢被角血管腫の治療はどうしますか?
通常、治療は必要ありません。出血性病変や美容状の理由で、焼却、凍結、レーザー治療などを行います。
陰嚢被角血管腫に似ている病気は何ですか?
悪性黒色腫などを除外するために生検を行うこともあります。2010年の症例報告では、たとえ陰嚢に局在している場合でも、被角血管腫を有するすべての男性患者においてファブリー病を考慮することが推奨されています。