眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ)-大和クリニック-木更津市の皮膚科

48才のGさんは、まぶたの黄色いものが、気になり出しました。クリニックで眼瞼黄色腫と言われました。

眼瞼黄色腫とはどういうものですか?

上まぶたの目頭付近に片側、両側に生じる平らに盛り上がる黄色がかった隆起です。時に下まぶたにも見られます。多くの場合、対称的です。大きさは数mmからで、1cmを超えることもあります。サイズは変化ない場合と増加する場合があります。高LDL(悪玉)コレステロール血症、低HDL(善玉)コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、原発性胆汁性肝硬変を有している人は、増加する可能性が高くなります。

眼瞼黄色腫の原因は何ですか?

マクロファージと呼ばれる免疫細胞の中に脂肪が蓄積され、その中には高レベルのカロテンが含まれており、これが病変を黄色にしています。脂質異常症に付随して起きるものがあります。約半数は脂質異常がありません。

黄色腫は、脂質異常症に加えて、喫煙、中心性肥満、高血圧、糖尿病と関連している可能性があります。

眼瞼黄色腫の症状は何ですか?

見た目だけで、痛み、かゆみなどはありませせん。目が見えにくくなるとかの障害もありません。一般に、これらの病変はまぶたの機能には影響しませんが、眼瞼下垂が発生することが知られています。大きい場合には眼球の変位を引き起こす可能性があります。

眼瞼黄色腫はどの年齢で起きますか?

発症年齢は15~73歳で、ピークは40歳代と50歳代です。ほとんどは中年以上です。男性よりも女性に多くみられます。アジアまたは地中海の人の間で最も一般的です。

眼瞼黄色腫の診断、検査はどうしますか?

通常は視診で診断します。外観が異常な場合にのみ生検が必要です。LDL コレステロールおよび HDL コレステロール 、中性脂肪などを検査します。

脂質異常症の二次的な原因には、さまざまな食事、薬物、代謝障害、および一部の疾患に関連するものが含まれます。続発性(二次性)脂質異常症をおこす糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、原発性胆汁性肝硬変などの胆汁 うっ滞性肝疾患などの合併がないか検査します。グルココルチコイド、エストロゲン、アナボリックステロイド、一部の降圧薬、レチノイド、シクロスポリン、シメチジン、特定の抗てんかん薬、タモキシフェンなどの服用の有無を確認します。

眼瞼黄色腫以外の黄色腫はありますか?

腱にできる黄色腫、指や手のひらの黄色腫、おしりや四肢の結節性黄色腫などがあります。眼窩腫瘤として存在する深部の黄色腫や骨黄色腫などについては、 CT や MRI などが必要です。

眼瞼黄色腫の治療はどうしますか?

脂質異常症がある方は、食事療法、運動療法、脂質異常症に対する薬物療法を行います。

脂質異常症がない方でもプロブコール(シンレスタール)が効果がある場合もあります。

しかし黄色腫の治療においては限定的な反応しか得られません。

眼瞼黄色腫の除去には、外科的切除、レーザー焼灼、化学的焼灼、凍結療法など、数多くの選択肢が利用可能です。黄色腫は除去後に再発する可能性があります。目の近くにあるものでは、ひきつれを起こしてしまい、審美的に悪影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。

TEL:0438-25-2515