痒疹(ようしん) -非常にかゆいブツブツがたくさんあります-大和クリニック-木更津市の皮膚科
痒疹 とはどんな病気ですか?
かゆみの強い丘疹(ぼつぼつ)が孤立性で融合傾向を認めないことが特徴です。丘疹はかくことでてっぺんにびらん(ただれ)、痂皮(かさぶた)を伴ったり、結節状(しこり)を呈したりして多発します。
痒疹 の原因は何ですか?
原因がわかっている場合(以下のリストを参照)、または小さなかゆみのある隆起を特徴とする原因不明の状態を説明するために使用されることがあります。
虫刺され
症候性痒疹(腎臓に起因するもの、肝臓に起因するもの、糖尿病に起因するもの、悪性リンパ腫、白血病に伴うもの、悪性腫瘍によるもの、アトピー性皮膚炎にみられるもの、湿疹病変に続発するもの、HIV感染に伴うもの)
心因性疾患によるもの
妊娠性のもの
金属アレルギーによるもの
誘因が特定できないもの
痒疹 はどのように分類されますか?
急性痒疹、亜急性痒疹、慢性痒疹(結節性痒疹、多形慢性痒疹)
痒疹 は具体的にどのようなものですか?
急性痒疹
虫刺されなどを契機に米粒大ほどのかゆみの強い赤いブツブツが体や四肢に孤立性にばらばらと多発します。小さな水疱ができることもあります。四肢と臀部の外側に最も多く発生しますが、頭と首、体幹、四肢のどこにでも発生する可能性があります。痒疹は、ひどいかゆみにより睡眠が妨げられるため、かなりの苦痛を引き起こすかもしれません。
結節性痒疹
1cm大までの暗褐色で硬いドーム状に隆起するしこりが、四肢の前面や体を中心に生じます。多くの場合色素沈着がでます。非常にかゆみがあるため、潰瘍ができたり、かさぶたができたりすることがよくあります。子供や40才程度までは四肢に多いです。それ以上の年齢では体が多いです。治療に抵抗性で、数ヶ月から年余に渡って持続することもあります。引っかけない所には痒疹が認められないです。
多形慢性痒疹
米粒大から小豆大の赤いブツブツが下腹部、わきばら、背中、おしりなどに孤立性または集まって見られます。時間がたつにつれ淡褐色のブツブツになっていきます。中年期から高齢者にみられ、男性に多い傾向があります。数週間から1~2ヶ月で治癒することが多いです。ただ、また新しく現れたり、再度悪化したりして、慢性の経過になるものもあります。長く続くと皮膚が厚くなり、表面にしわや溝がくっきりでた状態になることもあります。
痒疹 の検査はどうしますか?
除外診断のため、血液検査(アトピー素因と関連している場合IgEが高値になります。TRACが上昇する場合もあります)、甲状腺検査など、胸部X線、CT、MRI、皮膚生検など。
痒疹 の治療はどうしますか?
急性痒疹
ステロイド外用療法、抗ヒスタミン薬内服
慢性痒疹
ステロイド外用療法、抗ヒスタミン薬内服、
効果不十分な場合はステロイド局所注射、保険適用外として保湿剤併用による密閉療法、活性化ビタミンD3軟膏、タクロリムス軟膏など
急性増悪期には短期的にステロイド内服療法、多形慢性痒疹で感染巣が疑われるときは、ミノマイシン、クラリスロマイシンなど。
痒疹の原因となる基礎疾患を治療します。
痒疹 の生活上の注意点は何かありますか?
ナイロンタオルなどで体を強く洗わないでください。。
熱い風呂は避けてください。
爪を短く切る、手袋をつけることでかきむしることを出来るだけ避けてください。
衣類、ベルトなどで圧迫しないでください。
痒疹 に似ている病気は何ですか?
疥癬:疥癬トンネルの有無、KOH直接検鏡法で鑑別します。
結節性類天疱瘡、非水疱型類天疱瘡:皮膚生検や抗BP180抗体、抗BP230抗体などで鑑別します。
アトピー性皮膚炎でも類似の結節を示すことがあります:アトピー素因、家族歴、血中IgEなどで鑑別します。