酒さ様皮膚炎 私のお母さんは赤ら顔です。毎日薬をつけています。でも良くなりません。-大和クリニック-木更津市の皮膚科
酒さ様皮膚炎とは何ですか?
ステロイド外用薬の長期使用により起こる酒さに類似した症状です。ステロイド外用薬の顔への使用歴があります。
酒さ様皮膚炎の原因は何ですか?
ステロイド外用薬の使用です。遺伝的体質が関係していることもあるそうです。タクロリムス軟膏が原因となることもあります。酒さ様皮膚炎との関連性が報告されている薬剤には、グルココルチコイド、タクロリムス、ピメクロリムス、エルロチニブやセツキシマブなどの上皮成長因子受容体阻害剤 、ビタミンB6、3 、まれに経口糖尿病薬メトホルミン、パラベン、カルシウムなどがあります。
酒さ様皮膚炎はどの年齢に多いですか?
思春期から中年の女性に好発します。乳幼児に起こることもあります。
酒さ様皮膚炎の症状にはどのようなものがありますか?
細い血管が浮き出る毛細血管拡張が出現します。赤み、ほてり、熱感がおこり、ニキビのような膿疱、赤みが現れることもあります。皮膚が萎縮することもあります。たいていの場合かゆみが出現しますが強くはありません。ひりひりとした痛み、皮膚のつっぱり感が出ることもあります。
酒さ様皮膚炎はどこにできやすいですか?
主に口の周り、頬、額に起きやすいです。
酒さ様皮膚炎の診断はどうしますか?
病歴と症状から診断します。発疹部位への外用薬(ステロイドを含め)は何を使用していたか、回数、塗布していた期間を尋ねます。発疹にステロイド外用を使い、発疹は良くなりますが、中止すると症状が再燃し、また使用すると良くなりを繰り返す内に数ヶ月たつとステロイドが効かなくなりそのまま発疹が出たままになります。ステロイド外用薬を8週間以上使用していると生じるとされています。人により数日から数年と様々です。
酒さ様皮膚炎の治療はどうするのですか?
ステロイド外用薬の使用中止が基本です。中止すると症状が悪化します。数週間から数ヶ月でリバウンド症状が落ち着きます。治療が奏功すると赤いはんてんが目立たなくなってきます。ステロイド外用薬の使用中止のリバウンド症状に対して、メトロニダゾール軟膏やタクロリムス軟膏が有効なことがあります。(保険はききません)
ステロイド外用薬の使用中止と平行して抗菌薬(ミノサイクリン)、保湿剤の外用(ヘパリン類似物質)を行います。
酒さ様皮膚炎に似ている病気とはどういうものがありますか?
酒さ:ステロイド外用薬の使用を聞きます。
尋常性ざ瘡、ステロイドざ瘡:面皰(めんぽう)を認めます。毛細血管拡張はありません。酒さ様皮膚炎では面皰(めんぽう)はありません。
ニキビダニ症(皮膚毛包虫症):苛性カリ直接検鏡で毛包虫を確認します。
接触性皮膚炎:使用している外用薬、化粧品、洗顔料などを聞きます。パッチテストが必要となることもあります。
鑑別困難な場合は皮膚生検が必要になることもあります。