かぶれ (接触性皮膚炎)ました。とてもかゆいです。-大和クリニック-木更津市の皮膚科

かぶれ ( 接触性皮膚炎 )とはどのようなものですか?

接触性皮膚炎は異物を排除しようとする生体の防御反応です。接触皮膚炎は、特定の物質に直接触れることで皮膚に炎症が起きる病気です。何らかの物質が皮膚に接触し、それが刺激やアレルギー反応となってかゆみを伴う湿疹が出ます。かぶれとも呼ばれています。発疹は非常にかゆく、特定の部位に限定され、しばしば境界がはっきりしています。

基本的にアレルギー性と刺激性の2種類の接触性皮膚炎があります。光線の関与したタイプも加えることもあります。光接触性皮膚炎と言われるものです。

かぶれ( 接触性皮膚炎 ) はどのような症状がありますか?

かゆみと発疹が生じます。発疹は様々なものが起きます。原因物質に触れた部位にかゆみや、ヒリヒリとした痛み、腫れ、赤いはんてん、ブツブツ、水ぶくれ(やけどのような大きな水ぶくれが起こることも)が生じます。時には皮が剥けたり、肌がガサガサ、亀裂、皮膚の肥厚、色素沈着になる場合もあります。ほとんどの場合、発疹の中に小さい水ぶくれがみられます。発疹は物質に触れた部位にのみ生じます。従って分布が非対称です。しかし、発疹は初期には皮膚の薄く敏感な部位に生じ、後に厚い部位や物質とあまり触れていない部位に生じて、発疹が広がったような印象を与えます。

1)刺激性 接触性皮膚炎 とはどういうものですか?

接触皮膚炎の全体の80%を占め、化学物質により皮膚が直接損傷されることで生じます。刺激性接触皮膚炎ではかゆみよりも痛みがよくみられます。原因物質自体がもつ刺激によって起こるため、アレルギーに関係なく誰にでも起こる可能性のある疾患です。原因物質に触れたあと数分程度で症状が出ることが多いですが、より長時間の曝露が必要なものもあります。非常に刺激の少ない石けんや洗浄剤でも、頻繁に使用したり長時間使用したりすると、人によっては皮膚が刺激されることがあります。原因物質に対する皮膚の感度は人により様々です。少なくとも最初は、刺激物と接触した皮膚のみが影響を受け、皮膚炎が全身に広がることはまれです。

酸、アルカリ、溶剤(マニキュアの除光液に使用されるアセトンなど)、植物(ポインセチアやコショウなど)、体液(尿や唾液など)

2)アレルギー性 接触性皮膚炎 とはどういうものですか?

皮膚に触れた物質に対して体の免疫系が反応を起こすことで発生します。皮膚が問題の物質に最初に触れると、皮膚がその物質に対して敏感になり、これを感作(かんさ)といいます。その物質(アレルゲン)に一度触れただけで感作が生じることもあれば、何度も触れなければ生じないこともあります。アレルギーが成立するのには2週間ほどかかりますが、なかには半年ほどしてからアレルギーが成立することがあります。感作が生じた後、次にその物質に触れると4~24時間以内にアレルギーが起こり、強いかゆみと皮膚炎が生じますが、人によっては、特に高齢者では、反応が生じるまで3~4日かかることもあります。そのため刺激性皮膚炎のように誰にでも起こることはなく、原因となる物質にアレルギーのある人のみ現れる疾患です。これまで何年も何事もなく使用していた化粧品が突然アレルギー反応が生じることがあります。皮膚炎は、アレルゲンとの直接接触の境界を越えて広がる可能性があり、より広範囲に広がる可能性があります 。

香水、化粧品、ゴム(ラテックスを含む)、植物(ツタウルシなど)、保存剤、皮膚炎の治療に使用される軟膏、クリーム、ローション、消毒薬、一部の金属(ニッケルやコバルトなど:指輪、ネックレス、ピアスなど)、女性の約10%は、アクセサリーに含まれていることの多いニッケルに対するアレルギーをもっています。金属によるものは金属が汗と反応することによって生ずることが多いので、汗をかく夏季に多く見られます。

3)光 接触性皮膚炎 とはどういうものですか?

原因物質が肌に触れただけでは症状が起こることはないのですが、その部分に光や紫外線が当たるとかぶれや炎症が起こる皮膚炎を指します。光が当たった部分のみに症状が発現します。

日焼け止め、香水、化粧品、抗菌薬、油、植物など

光アレルギー性 接触性皮膚炎

シップ(湿布)を貼った部分が、光にあたった部分だけに湿布の形そのままに皮膚炎(赤くなる、ぶつぶつができる、水ぶくれができるなど)を起こすことがあります。強いかゆみも伴います。また、日焼け止めの成分(紫外線吸収剤)でも起こることがあります。

かぶれ( 接触性皮膚炎 )の生活上の注意点は?

1)原因物質に触れないようにしてください。物質に触れてしまった場合は、石けんと水で直ちにその物質を洗い落とします。持続的に物質に触れるリスクがある場合は、手袋や保護用の衣類が役に立ちます。適切な手袋を着用して、摩擦、洗剤、土、植物、塗料、ディーゼルなどから保護してください。

2)衣服やアクセサリー、化粧品や洗剤など日常的に使用するものは素材や成分に注意し、自分にあった物を選んでください。

3)かゆみが出た場合は、できるだけ掻かないで、保冷剤などで冷やしてください。

かぶれの診断はどうするのですか?

問診:アレルギー性接触性皮膚炎の場合、遅延型アレルギー反応(アレルギーが成立するのには2週間ほど、なかには半年かかる)なので、2週間前(半年前)に使用しはじめたものなども教えてもらいます。

使用テスト:接触性皮膚炎が生じた元の部位から遠く離れた部分(通常は前腕)に原因として疑われる物質を塗るもので、香水やシャンプーなど、家庭内でよく使用される物質が疑われる場合に有用です。

パッチテスト:皮膚炎の原因になることの多い物質を含む小さなパッチを患者の皮膚に貼り付けて、1~2日間そのままにし、その下に発疹が出るかどうかを調べるテストです。ただし陽性になった場合、必ずしもその物質がアレルギーの原因とは限りません。

かぶれ( 接触性皮膚炎 )の治療はどうするのですか?

1)かぶれの原因物質を特定し、それを取り除くことが必要です。症状の原因になっている物質と触れることがなくならない限り、接触皮膚炎の治療は効果がありません。職場の中に原因があるときは難治となる場合も多いです。職業性接触性皮膚炎と呼ばれています。職業性皮膚疾患の最も一般的な原因であり、特に清掃員、医療従事者、食品取扱業者およびケータリング業者美容師によく見られます。コンピューターを使用している人にも発生する可能性があります (コンピューター マウス皮膚炎)。

2)ステロイド剤の外用を試みます。

3)抗アレルギー剤の内服を試みます。

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